コンヴィチュニーの「トリスタンとイゾルデ」

mii06252007-12-08

以前に書いた日記にYouTubeをリンクさせるとどうなるか、ということでリンクさせてみた。

 小学校を舞台にした、コンヴィチュニーの「ローエングリン」を観て感動し、もう一度彼の演出による「トリスタン」http://d.hatena.ne.jp/mii0625/20070422を観てみようと思い、昨日土曜日の午後、じっくりとワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」を鑑賞した。

http://www.youtube.com/watch?v=zpocMvl_Cdg

 第一幕の豪華客船の演出で一目で分かるように、このコンヴィチュニーの「トリスタン」は明るい「トリスタン」である。ただひたすら第三幕の「イゾルデの愛の死」に向かって盛り上がってゆく悲劇としての「トリスタン」というよりも、むしろイゾルデの「愛を成就させる意思」を強く感じさせる演出だ。
 イゾルデはもはや中世の受身の女性ではない。トリスタンをリードする面を持った、強い意志を持つ現代女性として演出されている。

 コンヴィチュニーの「トリスタンとイゾルデ」の読み替え演出は、イゾルデをマチルデ・ベーゼンドンクとして描くのではなく、むしろコージマ・リストとして描いている。

 このような描き方はフルトヴェングラーの指揮する「トリスタンとイゾルデ」とは真逆のものだ。

 「愛を成就させる意思」を持った強い女性としてイゾルデを描くと、どうしてもあの問題のラストシーンが必要になってくるのだな、と思った。

http://www.youtube.com/watch?v=RLoHcB8A63M