Decoy DNA

mii06252006-04-12

阪大大学院・遺伝子治療学、玉井克人助教授の「NFκB Decoy DNA を用いたアトピー性皮膚炎治療戦略」をたいへん興味深く読んだ。話題の「デコイ軟膏」http://medwave2.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf?CID=onair/medwave/mdps/399783に関する第33回日本皮膚アレルギー学会のシンポジウムで、マルホ皮膚科セミナーNo.1296に掲載されたものである。

デコイといえば昭和30年代後半、石津謙介さんのVANジャケットの広告にも使われたくらい、そしてデコイ専門店(坪源http://www.ginzado.ne.jp/~tsubogen/)もあるくらい、インテリアとしても人気があるが、どこかオーセンティックな感のあるデコイと DNA が結びついているところがおもしろい。

内容はかなり専門的なものだが、極めて簡単に言えば、文字通り囮(おとり、デコイ)化した DNA を顔面の皮膚炎のところに塗布すると、起炎物質(サイトカイン)がデコイDNAと結合して、安定化することによって炎症がおさまるというシステムである。

サイトカイン(起炎物質)がデコイDNA を本物と間違えて、結合し安定化して炎症がおさまるというところにたいへん心惹かれるものがあり、おそらくこういう作用機序ならばステロイドと違ってリバウンドは起こらないだろうと思った。