プルースト「スワン家の方へ」 

「あの人は、ちょっとした情事でもなんでも、全部このわたしには話してくれるんですからね!ここのところあの人にはもう相手がいないものだから、わたし、彼と寝たらって言ったことがありますのよ。あの人ったら、わたしにはできませんって言うの。たしかにあのかたにはすっかり惚れこんでます。でもあのかたはわたしといっしょにいるとおどおどなさるし、おかげでわたしの方もおどおどしてしまう。それに、そんな仕方であのかたを愛してるんじゃありません、あれは理想の人です、あのかたに対する自分の気持ちを汚すのが心配です、ってこう言うんですよ。どうでしょう?でもあれはほんとにお似合いだと思うんですけどねえ」

↑、杉田さんのマネージャーと杉田かおるさんの会話、ではなくてヴェルデュラン夫人とオデットの会話。

「悪いけど、私はどうも賛成できないね」とヴェルデュラン氏が言った。「あの先生(スワン)は、どこか私には気に入らなくてね。ありゃ気取りやだと思うよ」