『ブーローニュの森のスワン夫人』

語り手は、ブーローニュの森のいつもの散歩道、アカシア通りで、スワン夫人(美貌のオデット)を見かけることが出来ない時は、ひとりっきりになりたがっているように見せかけたい夫人達が良く行く散歩道、レーヌ=マルグリット通りでスワン夫人を見かけることがあった。
そしてスワン夫人は長い時間をひとりで歩くわけでは決してなく、しばらくすると、「灰色の“シルクハット”をかぶった男」と落ち合って何やら親しげに語らいながら、レーヌ=マルグリット通りを歩き、彼らの二台の馬車がスワン夫人と“シルクハットの男”のうしろから附いていくのだった…。
以上、『失われた時を求めて』第一篇『スワン家の方へ』読了。
次回からは第二篇『花咲く乙女たちのかげに』に移ります。