金髪の少女

メゼグリーズの散歩道の途中、タンソンヴィルのスワン家の生垣のあいだから、一本の小道が見え、赤褐色に近い金髪の少女が、手には庭いじりのシャベルを持ちながら、黒い瞳を輝かせて、バラ色のそばかすのある顔をあげて、語り手たちを眺めているのだった。少女は『さあ、ジルベルト、おいで。何をしているの?』と、きんきんした命令口調で、それまで見たことのなかった白い服の婦人が叫んだので、少女は、従順に、だが心の奥を見せない陰険そうな様子で、振り向きもせずに行ってしまうのだった。